研究課題
若手研究(A)
温熱刺激によって転写因子Nrf2が活性化する分子メカニズムならびに生理的意義を解明することが本研究の主たる目的である。温熱刺激によるNrf2の活性化はmTORC1-p62の活性化を介している可能性が示唆された。また、温熱刺激によるNrf2の活性化は、熱応答性転写因子HSF1と相互に補償されている可能性が示唆された。温熱刺激によるNrf2の活性化は、細胞内のタンパク質の恒常性維持に貢献している可能性がある。また、基礎的な知見の応用可能性を探るための試験も実施した。その結果、温熱刺激が、がん悪液質のリハビリテーションとして有用である可能性が示唆された。
温熱刺激は、古典的な物理療法として整形外科でのリハビリテーションや温泉療法として臨床で広く利用されている。しかし、これらの効果を裏付ける生物的根拠は乏しく、新規適応症や禁忌症を見逃す恐れがある。本研究で温熱刺激によるNrf2の活性化のメカニズムや生理的意義の一端を解明したことにより、より安全かつ効果的な温熱療法の開発が期待できる。実際に、本研究では、癌悪液質への適用可能性を見出すことができた。
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