研究課題
若手研究(A)
電子と原子核の運動を分離するBorn-Oppenheimer (BO) 近似は、多くの化学研究で暗黙に課されるが、近年、原子核の運動も量子的に扱うnon-Born-Oppenheimer (non-BO) 計算の重要性が指摘され始めている。本研究では、シュレーディンガー方程式の一般解法として提案された自由完員関数法(FC法)をnon-BO計算に拡張し、一般原子・分子へ汎用性のある積分フリーのnon-BO FC-LSE理論と、non-BO波動関数から化学反応の研究に欠かせない解析的ポテンシャル面を得る理論を開発し、より一般的な分子へ応用するための方法論と計算ノウハウ・プログラムの基礎を確立した。
シュレーディンガー方程式は、原子・分子の微視的世界を支配する量子力学の基礎方程式であり、この方程式を正確に解くことができれば、あらゆる化学現象を予言することができる。原子・分子は、原子核と電子から構成されるが、ほとんどの化学研究では重い原子核を固定し電子のみ量子的に扱う。しかし、原子核も量子的に扱うnon-Born-Oppenheimer (non-BO)こそ、真に量子力学原理を反映する。本研究では、これまで皆無であったnon-BOシュレーディンガー方程式を解く計算理論と、得られた解を解析し化学反応に応用する方法を開拓した。未熟な段階であるが、今後の発展の礎を築くことができたと確信している。
すべて 2020 2019 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
Physical Chemistry Chemical Physics
巻: 22 号: 24 ページ: 13489-13497
10.1039/d0cp01492c
Physical Review A
巻: 102 号: 5
10.1103/physreva.102.052835
Chemical Physics Letters
巻: 749 ページ: 137447-137447
10.1016/j.cplett.2020.137447
巻: 101 号: 6
10.1103/physreva.101.062508
The Journal of Chemical Physics
巻: 150 号: 4
10.1063/1.5065565
巻: 149 号: 11
10.1063/1.5040376
10.1063/1.5040377
巻: 149 号: 24
10.1063/1.5060659
http://qcri.or.jp/