研究課題/領域番号 |
17H04951
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
末國 晃一郎 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (10582926)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
24,050千円 (直接経費: 18,500千円、間接経費: 5,550千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2017年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | 熱電材料 / 熱電物性 / チタン硫化物 / ゼーベック係数 / 出力因子 / 電子構造 / 半導体 / 熱電変換 / 硫化物 / スピネル / 層状物質 |
研究成果の概要 |
本研究では,n型熱電材料の開発と,優れた電気的特性を有する材料の設計指針の提案を目指し,TiS6八面体の稜共有ネットワーク構造を有する物質である,Cu2Ti4S8スピネルとその関連物質,層状物質(SnS)1.2(TiS2)n(n=1,2),および擬一次元物質Sn1.2Ti0.8S3の熱電物性と電子構造を調べた。結果として,全ての系でn型の特性が確認され,また,TiS6ネットワークが電子キャリアの伝導を担うことが判った。また,元素置換やCuの酸化抽出などの方法でキャリア濃度とバンド構造を調節し,熱電性能を高めた。特にスピネルでは,TiのCo置換が電気的特性の向上に有効であるという知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱電材料は未利用熱からの電力回収(熱電発電)への応用が期待されている。本研究では,チタンー硫黄系物質に着目し,その熱電物性を系統的に調べた。その結果,TiS6八面体の稜共有ネットワークを有する物質では,伝導帯を構成する電子軌道が類似すること,その電子構造がn型の電気的特性の発現に有利であることが判った。また,原子サイトへの空孔導入や元素置換などの方法により電子キャリア濃度を制御でき,熱電性能を高められることを確認した。得られた知見は,さらに高性能な熱電材料の開発に結び付くものと期待される。
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