研究課題
挑戦的研究(開拓)
本研究は、沿岸域のプランクトンが環境からカキにノロウイルスを運んでいるという仮説を立てて、その検証を行った。カキを養殖している松島湾内の複数地点において動植物プランクトンとカキを採取した。動物プランクトンと植物プランクトンを顕微鏡下の形態観察に基づいてソーティングし、それぞれからノロウイルス遺伝子を検出および定量した結果、一部サンプルからノロウイルスが高い濃度で検出された。動物プランクトンの個体数の割合が高い地点のサンプルほど、ノロウイルス濃度が低下していた。また、カキ中腸線のDNAメタバーコーディング解析を行い、カキが動物および植物プランクトンの双方を捕食していることも確認された。
年間一千万人を超える感染性胃腸炎患者数を減少させるには、これまでのワクチンの開発による予防医学的な手法だけでは不可能である。本申請プロジェクトにおけるノロウイルスのカキへの蓄積メカニズムの解明を突破口として、様々な病原ウイルスの自然環境や社会環境での動態を把握し、社会的な取り組みによって感染性胃腸炎流行のトリガーとなる食品や水の汚染を極力防止することが現状を打破するための非常に有効な手段と考える。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 14件、 招待講演 5件) 図書 (3件)
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