研究課題
研究活動スタート支援
本研究は特発性ネフローゼ症候群は、高度蛋白尿と低蛋白血症を主体とする3-6歳の小児に好発する原因不明の疾患で、この病因因子を同定し、病態モデルとなる実験系の確立を目的とした。特発性ネフローゼ症候群患者の血球を用いたFACS解析では、特定の血球細胞の同定には不十分であり、今後検体数の蓄積が必要であった。当初の予定通り培養ポドサイトの細胞骨格蛋白を評価する系を確立し、細胞障害性の薬剤投与では対象群に比べ変化を認めた。またマウス胎児腎の前腎細胞から確立した腎臓オルガノイドを用いてポドサイト障害を検証する実験系を確立した。本研究は特発性ネフローゼ症候群の病因解明への道標になると考えられた。
特発性ネフローゼ症候群は原因が未解明な疾患である。ステロイド治療で生じる易感染症、低身長など特徴的副作用を回避するため、病因を解明し新たな治療戦略を確立することが、医学的に重要である。本研究では、特発性ネフローゼ症候群患者の末梢血における血球分画をフローサイトメトリー解析により患者特有の血球分布の傾向を見出した。また機能解析に有用な培養糸球体上皮細胞や腎臓オルガノイドを用いた実験系を確立した。今後患者検体の蓄積と機能解析を進めることで、当初の目的をさらに明らかにすることが期待される。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
Sci Rep.
巻: 8 号: 1 ページ: 2351-2351
10.1038/s41598-018-20731-4
Clinical and Experimental Nephrology
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10.1007/s10157-018-1629-4
120006557458