研究課題/領域番号 |
17H07019
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
木下 衆 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 研究員 (00805533)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 医療社会学 / 認知症 / 家族介護 |
研究成果の概要 |
本研究は、過去の認知症ケアのあり方が、どのように現在の「新しい認知症ケア」を形成してきたのか、その歴史を分析することを目的とする。日本の認知症介護は、特に 2000 年代以降、いわゆる「新しい認知症ケア」の理念下にあるとされる。「新しい認知症ケア」とは、認知症患者本人に残された「意思」を徹底的に尊重し、「その人らしさ」を守ることに価値を見出す介護をさす。しかし「新しい認知症ケア」の理念が、いったいどのように日本で普及していったのかは、これまで十分に検討されていなかった。 そこで本研究は、介護家族の語りや支援団体が残した文書資料を収集し、認知症ケアの理念がどのように転換したのか、詳細に検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義を、二つの点から説明する。第一に、介護家族の経験と、彼らを支えた先進的団体の記録を体系的に収集・分析した点。本研究は、1970年代から90年代を、日本における認知症ケアの理念の転換期と位置づけ、その間の介護家族の経験を新たに聞き取り、散逸していた資料を収集した。第二に、それらのデータから、認知症ケアの理念の転換を理解する上で、重要な論点を発見した点。具体的には、「患者の尊重のあり方の変化」「看取りケアという争点の浮上」「介護者たちは患者をいかなる存在とみなしているか」という三つが挙げられる。 今回の成果は、認知症ケアの理念がさらなる転換を迎える現在、実践的な意義も持つものと考える。
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