研究課題/領域番号 |
17H07340
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
前川 志織 国際日本文化研究センター, 研究部, 特任助教 (80805664)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | デザイン史 / 広告 / 洋菓子 / 子ども / 少女 / 嗜好品 / 視覚文化論 / キャラメル |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、近代に誕生した洋菓子商品が広告を介していかに少女と結びつき視覚化されたかについて、視覚文化論の立場から考察することにある。1910年代から40年代の森永製菓の洋菓子商品の広告について、初等教育を受ける男女児童としての「子ども」と学齢期の女子としての「少女」のカテゴリーに注目し分析した結果、1930年代に洋菓子広告と少女というジェンダー化された表象との結びつきが顕著になるまでの図像の変遷を整理するとともに、健康や教育に役立つ合理的な食べ物であり身体や心の快楽をもたらす嗜好品であるという両義的な意味をもつ洋菓子商品の特性にこれらの表象が密接に結びついていることなどを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究成果の学術的・社会的意義とは、第一に、洋菓子という商品を考察の中心に置き、従来のモダン・デザインを中心とする研究では見逃された広告表現に注目することで、近代日本の広告表現が童画、漫画、抒情画、映画などが重なり合う間メディア的で横断的な特徴をもつことを示したこと、第二に、商品の消費者としての子どもや少女に注目する一方、子どもや少女の表象がさまざまな層に消費される様を描出することで、従来の子ども・少女文化研究や挿絵研究に欠落した視点を補ったことなどにある。
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