配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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研究実績の概要 |
昨年度は「モジュラー曲線上の混合楕円的p進エタール局所系のなす圏の淡中基本群を用いた不変量の構成の研究」を重点的に行った. 今年度も, 昨年度に引き続きこの不変量の構成及びレギュレータの計算について研究を行った. 本年度は具体的な成果として, ①加藤Euler系の特殊化の, 久賀・佐藤多様体のモチーフ的コホモロジーへの持ち上げをGealyのアイデアに従って構成し, ②その持ち上げのBeilinsonレギュレータでの像の具体的な計算とその帰結としての持ち上げの非消滅性の証明, ③ ②で得られた結果の, 保型形式に対する弱玉河数予想への応用, が得られた. このうち②, ③の結果は1980年代のBeilinsonの, 保型形式に対するBeilinson予想に関する仕事の直接的な精密化となっている. 本研究の大きな目標は, 代数体上定義された代数多様体の数論的基本群上のガロワ表現を研究することであった. 昨年度と本年度は, その代数多様体としてモジュラー曲線を取って研究を進めてきた. 特に, 数論的基本群のある種の線形化である相対的完備化, またはその最大混合楕円商を調べることが, 4点付き種数0曲線のモジュライと関わる興味深い問題である. 本年度の結果はその最大混合楕円商の構造を決定するうえで必要不可欠な結果である. また, 得られた結果自体も保型形式のL関数の非臨界点での値に対する精密な情報を与えており, 興味深いものである.
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