研究課題/領域番号 |
17K00037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理情報学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
森口 聡子 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (60407351)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 離散凸解析 / 離散凸関数 / 緩和法 / 最適化 / アルゴリズム / 最適化理論 / 割当て問題 / スケジューリング / ソーシャルディスタンス / テレワーク / 整凸関数 / スケーリング / 数理工学 / 数理情報学 / 離散最適化 |
研究実績の概要 |
本研究は,離散最適化に対して,スケーリング技法を軸とするアルゴリズム効率化のための理論体系を構築することを目的とし,また理論の応用を見据えて,研究を推進した.スケーリングとは,定義域の偶数点のみを見る,などのように,目盛を間引いた関数近似の導入で効率化を図る技法で,古典的なネットワークフローや資源配分問題で多くの成功例が知られている.離散凸解析のこれまでの研究により,いくつかの離散凸関数最小化に対して,スケーリング技法の有効性と近接定理による理論保証が明らかになっている. 本研究では,これまでスケーリング技法や近接定理について考えられていなかったより広い離散関数のクラスに対する拡張と理論構築を試み,効率的なアルゴリズムが構築可能なクラスの解明を進めていった.離散凸最適化においては,M凸関数,L凸関数,整凸関数,マルチモジュラ関数など,種々の関数クラスが考察される.それらの間の包含関係や,そのうちの2つのクラスの共通部分がどのようなものになるのかを,網羅的に整理した.これによって,様々な分野の研究者が離散凸関数の概念を容易に理解できるようになる.また,離散凸構造の多面体的表現を解明していった.複数の離散凸構造の間の包含関係や,そのうちの2つのクラスの共通部分の理解に,多面体的表現が有用であったことから始まった研究であるが,多面体的表現により,スケーリング,近接性に関する議論がしやすくなり,また整数計画の理論の応用やソルバーの利用がしやすくなるという今後の展開が開ける.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,離散最適化に対して,スケーリング技法を軸とするアルゴリズム効率化のための理論体系を構築することを目的とし,様々な分野への発展を視野に入れている. 今後の展開にも向けて,種々の関数クラスの間の包含関係や,そのうちの2つのクラスの共通部分がどのようなものになるのかを網羅的に調べ,その研究成果を発表し,おおむね順調に研究が進展した.一方で様々な分野への発展に寄与し得るソフトウェアについては,継続的に,離散凸関数の応用に関するデモンストレーションのWeb公開の整備を行っている. 以上より,前年度に引き続き,海外での計画見直しが必要となったものの,総じて,現在までの進捗はほぼ予定通りであり,研究計画は順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
応用研究では拡張を試み,理論研究では離散凸構造を有する色々な関数クラスとスケーリング近接性の関係を精査する.特に,新しいクラスである離散中点凸関数に対するアルゴリズムについては,重点をおいて研究とソフトウェア開発を進める予定である.ソフトウェア開発,公開に関連する部分では,ユーザーにとっての使い勝手に気を配りつつ推進する.離散凸性判定の効率化に関する新しいアイデアの実装についても,完成度を上げる.その都度,成果を学会や論文誌で発表していく. 効率性の観点からもリモートでの推進も引き続き工夫する.
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