研究課題/領域番号 |
17K00208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 常磐大学 |
研究代表者 |
中原 史生 常磐大学, 人間科学部, 教授 (10326811)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 鯨類 / ハンドウイルカ / シャチ / 向社会行動 / 欺き行動 / 社会的知性 / 協力行動 / マイルカ科 / 音声コミュニケーション / 比較認知科学 |
研究成果の概要 |
本研究は、マイルカ科鯨類を対象に、向社会行動および欺き行動時における音声コミュニケーションの種差を明らかにし、鯨類の社会的知性の進化的基盤を探ることを目的としている。研究は野生個体および飼育個体を対象とした自然観察法、実験的観察法、実験的分析法、飼育担当者を対象とした半構造化面接法を用いて行われた。その結果、シャチとハンドウイルカにおいては社会的な遊びの文脈で協力行動が観察され、その際にホイッスルという鳴音を用いている可能性が示唆された。一方、研究期間内に鯨類間での欺き行動は観察されなかったが、飼育者に対して欺き行動を見せることがわかった。今後は新たな実験手法を検討して検証を進めたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト以外の動物の社会的知性を調べることは、私たちのもつ社会的知性がどのように進化してきたのかを知ることにつながる。複雑な社会で生活するマイルカ科の鯨類においては、協力行動、分配行動、援助行動といった様々な向社会行動が観察されており、協調的な社会的知性の進化がうかがわれた。一方、今回の研究ではイルカ同士での欺き行動(競合的な社会的知性)は観察されなかった。イルカの社会と音声コミュニケーションの関係は近年注目を集めている研究分野であるが、本研究において、協力行動の際に鳴音が使われている可能性が示唆された。
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