研究課題
基盤研究(C)
ノミリンとオーラプテンはニコチン性アセチルコリン(nACh)受容体刺激によるカテコールアミン(CA)分泌と細胞内へのCaイオン流入を濃度依存性(10-100 μM)に抑制した。チロシン水酸化酵素のSer40のリン酸化を促進した。ノミリン・ノビレチンはノルアドレナリントランスポーターを介した[3H]ノルアドレナリン取り込みを濃度依存的(10-100 μM)に抑制した。ノミリンとオーラプテンは副腎髄質細胞において、イオンチャネルの機能を阻害してCA分泌を抑制することが示唆された。ノミリン・ノビレチンには抗うつ薬様の薬効が期待できるが、有害作用等について詳細な検討が今後の課題である。
橘類機能性成分は抗酸化作用などの生理調節機能については研究が進んでいるが、神経系への影響についての研究は緒に就いたばかりであり、因果関係を明らかにした研究は非常に少ない。ストレス反応に重要な役割を担っているカテコールアミン神経系への作用を検討し、抗うつ作用、気分安定作用や抗不安作用の期待できる機能性成分を見出し、特定することはストレス軽減効果の有る予防薬やメンタルヘルス不調の治療薬としての適応の可能性を評価することができる基礎研究は社会的に重要な意義を持つと考えている。柑橘類機能性成分のストレス関連疾患への影響について細胞レベルで詳細な検討を行い、神経機能への影響の評価を可能とする研究である。
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