研究課題/領域番号 |
17K01177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中村 治 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (10189029)
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研究分担者 |
新宮 一成 奈良大学, 社会学部, 教授 (20144404)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 岩倉 / 家族的看護 / 保養所 / 岩倉病院 / 京都癲狂院 / 南方熊楠 / 監置 / 大雲寺 / 看護人 / 入退院簿 / 精神病院 / 統合失調症 / 茶屋 / 呉秀三 / 岩倉癲狂院 / 今井保養所 / 岡山保養所 / 渡辺保養所 / 精神科看護 / いわくら病院 / 北山病院 / 金沢 / 奄美 / 精神病者保養所 |
研究成果の概要 |
岩倉における患者預かりの禁止と京都癲狂院設立の目的は、都が東京へ移った時に東京へ連れて行ってもらえずに岩倉などに預けられた「貴顕紳士や華族」等の患者を収容してその秘密を保持し、対外的には日本も欧米並みに精神病者にも治療を施していることを示すことにあったと考えるのが自然である。 京都癲狂院廃院後に設立された岩倉癲狂院(後の岩倉病院)の入退院簿を分析すると、全国各地に精神科病院が設立されていくにつれ、岩倉病院に集まる患者の出身地の範囲が狭くなっていくこと、患者の男女比が8:2ぐらいから5:5へ変化していくこと、「統合失調症・統合失調型障害および妄想性障害」の患者の割合が多くなっていくことがわかる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医者も警察官もいなかった小さな離島で調査していると、地域住民は地域の患者を注意深く見守りながらも患者にできるだけ普通の生活をさせ、患者に自傷他害のおそれが出てくると、患者を監置室に入れていたことがわかる。かつての日本ではどこでもそれに近い状況が見られたのであろう。他方、江戸時代の岩倉は、介護人を用いて患者を預かり、患者にできるだけ普通の生活をさせた。それは昭和時代になっても変わらず、全国的に有名になった岩倉病院でも、江戸時代の茶屋が改称した保養所でも、介護人を用い、患者にできるだけ普通の生活をさせた。患者を預かり、患者にできるだけ普通の生活をさせたことが、岩倉が評判になった理由ではないか。
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