研究課題/領域番号 |
17K01383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体医工学・生体材料学
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
松本 陽子 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (00133562)
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研究分担者 |
市原 英明 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (70369114)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 癌 / トレハロース / 脂質 / ナノ材料 / ナノメディシン / 糖鎖 |
研究成果の概要 |
トレハロースナノ粒子(トレハロースリポソーム、DMTre)は、直径100nm以下で約一ヶ月以上安定であった。DMTreは正常細胞膜とがん(肺がん、乳がん等)細胞膜を識別し、がん細胞にのみ融合・蓄積後、アポトーシスを誘導した。DMTreのアポトーシス誘導経路は、カスペース-6,8,および9を活性化し、ミトコンドリア膜電位の低下および、ミトコンドリアからのシトクロムcの放出も明らかになった。ストレスシグナルのJNKの活性化がみられた。担がんマウスにDMTreを静脈投与したところ腫瘍の縮小およびアポトーシスが検出され、治療効果が得られた。安全性試験からはDMTreの高い安全性が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは、死亡者数の多い疾患であり、副作用のない治療薬が待たれている。トレハロースナノ粒子のみで、がん細胞のアポトーシス誘導により増殖抑制するという、これまでにないがん治療薬の開発を目指しており、低毒性で新規の治療薬開発への道筋がつけば、患者のQOLの観点からも望ましい薬剤としての可能性が広がる。膜流動性の大きながん細胞へトレハロースナノ粒子が特異的に融合しており、選択性の高い治療効果が期待出来る。従来の抗がん剤は高価であり、患者の経済的負担は大きい。低コストで調整が簡便なナノ粒子の治療効果および治療メカニズムが明らかとなれば、経済的にも有利な薬剤開発へとつながる可能性がある。
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