研究課題/領域番号 |
17K01390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体医工学・生体材料学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
伊藤 智子 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 客員研究員 (80372910)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / ネオ抗原 / ガン免疫治療 / 樹状細胞 / 結核菌抗原 / エクソソーム製剤 / ネオ・エピトープ / ネオ・アンティジェン / 生物・生体工学 |
研究成果の概要 |
癌免疫治療では標的抗原の存在が不可欠であるが、一般の腫瘍抗原は免疫応答能力が弱い。一部の患者の腫瘍細胞は免疫誘導能力の高い変異型ネオ抗原を持つが、その割合は低く、これを持たない腫瘍細胞に対する治療法の開発が望まれている。 我々は抗原性の高い結核菌抗原ESAT-6を「人工ネオ抗原」として提示した細胞外小胞(ESAT-EV)を調製し、抗腫瘍免疫治療への応用を試みた。ESAT-EVは樹状細胞を強く活性化する能力を示した。これらESAT-EVまたは活性化した樹状細胞を担癌マウスに投与すると、どちらにおいても高い抗腫瘍効果が認められ、「人工ネオ抗原」提示EVの抗腫瘍ワクチンとしての有用性が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた微生物抗原提示細胞外小胞は、人工的なネオ抗原として働き抗腫瘍免疫を強制的に効率よく惹起するもので、癌免疫治療の本質的な適応限界を克服する全く新しい戦略を提供する。 本細胞外小胞製剤は患者本人の細胞から調製することができるため、拒絶応答等の副作用や、ウイルス感染等の危険因子を全く含まない安全性の高い製剤である。さらに細胞治療での免疫細胞活性化剤としての利用法は、より安全性の高いヒトへの臨床応用の可能なシステムと期待される。 本研究で得られた知見は「腫瘍細胞の免疫原性の低さ」を克服する癌免疫治療の新しいプラットホーム技術として広く展開でき、癌治療の向上に大きく貢献する。
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