研究課題/領域番号 |
17K02056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
真崎 克彦 甲南大学, マネジメント創造学部, 教授 (30365837)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 地域研究 / ブータン王国 / 内発的発展 / 市場経済 / 自由民主主義 |
研究成果の概要 |
ブータンでは近代の政治経済制度(自由市場経済と自由民主主義)の導入を通して、地域共同体や自然環境の保全を軸とした村落生活の振興を図る、という内発的発展政策が進められている。本研究ではその成果と課題を検証すべく、主に中部シンカル村で調査を行った。同村では地域共同体や環境保全を基盤とした農畜産品の広域販売が図られ、そのための予算取付けに政治参加制度が利用されるなど、市場経済化と民主制の促進の受容が在来生活の継承・発展につながっていることが分かった。同時に、格差拡大や廃棄物の増加といった生業の近代化の負の側面を、地域の紐帯や自然との共生を軸とした風土でいかに抑制するのかが、中長期の成否を左右する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SDGsで知られる通り、近代的開発・発展観(経済至上・人間中心・個人主義を称揚する考え方)が優勢な昨今、地域共同体や環境保全が手抜かりとなっている。そうした中、地域の紐帯や自然との共生という風土を軸としつつ、近代的開発・発展観が部分的に受容されてきたブータンの事例は、双方が二項対立的にとらえられがちであった学術研究に示唆を与える。従来の研究とは異なり、在来風土と近代化の双方を包摂するブータンの内発的発展政策の複線的スタンスは、所与の対立関係を超克した高次の関係性を築く潜在性を有するためである。その潜在性は、諸利害が錯綜する現実社会において内発的発展をどう進めれば良いのかを考察する上で役立つ。
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