研究課題/領域番号 |
17K02232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
一色 哲 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (70299056)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | キリスト教交流史 / 「民衆キリスト教」の弧 / 周辺的伝道知 / 福音主義信仰 / 苦難からの解放 / 受容と浸潤 / 内国植民地化 / 南島の軍事化とキリスト教 / 福音的信仰の浸潤 / 自立と依存 / キリスト教伝道圏 / 軍事占領と信仰 / 宗教と宣撫工作 / クリスチャンによる反戦運動 / 琉球併合 / 仲里朝章資料 / 松岡政保 / 沖縄諮詢会 / 沖縄民政府 / 沖縄キリスト教会の自立 / 沖縄インターボード委員会(OKIB) / 琉球列島奉仕委員会(リバック、RIVAC) / A.R.ストーンの私的報告書 / 信仰告白論争 / 占領体制の固定化 / 米占領軍による宣撫工作 / GHQ民間情報教育局(CIE) / 南島キリスト教史 / 沖縄キリスト聯盟 / 平和をつくる沖縄キリスト者の会 / 「民衆キリスト教の弧」 / 周縁的伝道知 / 「深化」と「越流」の震源 / 「土着」と「越境性」のはざま / 南島の軍事化と迫害 / 「モノ」と「コト」の収奪 / 内国植民地 / 宗教学 / 思想史 / 日本史 / 政治学 / ネットワーク |
研究成果の概要 |
19世紀末に本格化する南島地域へのキリスト教伝道により、カトリックは奄美大島に、プロテスタント諸派は沖縄島に入境し、伝道圏を拡大させていく。その過程で、帝国日本の内国植民地にあるがゆえの抑圧や差別、貧困に喘いでいた南島の民衆の間に「民衆キリスト教」ともいえる福音主義信仰が澎湃として広がり浸潤していった。また、朝鮮半島や台湾の植民地や旧満州、南洋群島等を往還する信徒や伝道者の伝道活動で南島のキリスト教は何度も活性化していた。 沖縄戦とその後の米軍占領期も南島、特に、沖縄島や先島では、戦前の「民衆キリスト教」的福音信仰の浸潤が維持され、いずれも本土のキリスト教受容とはちがった形態が見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が対象とした南島地域では、従来の日本キリスト教史の通説とは違い、士族知識人だけではなく、女性の信徒も活躍をしており、農民層にもキリスト教は浸透していた。このことから、南島地域にも「民衆的キリスト教」といえる信仰の浸潤形態があることを解明した。このような信仰のあり方は、東アジア(朝鮮半島や中国・台湾)のそれに類似していることから、このような浸潤形態は、植民地化等による“苦難からの解放”を切望する民衆的心情に起因するのではないかと考えた。そして、南島地域に浸潤した福音主義信仰は、「キリスト教国」の占領軍に支配された戦後も引き継がれて、南島独自のキリスト教信仰が見られることを明らかにした。
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