研究課題/領域番号 |
17K02260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
今野 元 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (60444949)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 矢部貞治 / 大串兎代夫 / 神川彦松 / 小野清一郎 / 安井郁 / 南原繁 / オットー・ケルロイター / カール・シュミット / 大東亜共栄圏 / 総力戦体制 / 岡義武 / 小野塚喜平治 / 田中耕太郎 / 思想史 / 政治学 / 日本史 / 西洋史 / 国際法学 |
研究成果の概要 |
これまで総力戦体制下の東京帝国大学法学部は、「掃きだめの鶴」として理解されてきた。通説によれば、同学部では小野塚喜平次や吉野作造が体現した親英米派自由主義を、その後継者たちが軍国主義の台頭する昭和前期にも維持したという。戦後はその代表者である南原繁が東京大学総長として新日本の再建にあたり、南原の愛弟子である丸山眞男が戦後民主主義を理論的に牽引したとされている。 本研究は、親英米派自由主義は東京帝国大学法学部の共通諒解ではなかったことを示し、ドイツ系学問を経由して日本主義に傾斜した東京大学法学部及びその周辺の人々が、総力戦体制にどのように参画したかを具体的に解明する試みであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目標は日本の知的風土の変革である。本研究に当たり留意したのは、自分が身を置くいまを歴史の終着駅だと思い込み、その権力状況を正当化するような歴史認識をするという知識人の宿痾を疑うことだった。現体制の只中に身を置き、その正当性を疑うことのない観察者が、自分たちの先駆者のみを顕彰してきたというのが、従来の南原・丸山路線の過大評価である。だがそれでは、現在に後継者を残していない知的系譜が、初めからなかったかのような扱いになってしまう。時空を超えて思考し、いま現在のありようを人類史において相対化することは、歴史学の使命であり、歴史家の社会的責務でもあると信じている。
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