研究課題/領域番号 |
17K02279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
福中 冬子 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (80591130)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 文化プロパガンダ / 芸術音楽 / 第二次大戦 / アメリカ合衆国 / 戦時期文化政策 / アメリカ音楽 / 現代音楽 / 冷戦 / 20世紀音楽史 / 社会 / アメリカ政治 |
研究成果の概要 |
本研究は、米国戦争情報局Office of War Information(1942年-45年)による非軍事的広報・情報操作活動として起案・実施された、諸外国および自国民を対象とした音楽関係プログラムの内容を精査することで、戦後冷戦盛期に合衆国が公に/秘密裏の資金提供を通じて行った、芸術音楽(含むバレエおよびミュージカル)を用いた「プロパガンダ」事業にどのような形で布石を作ったのか、その試論を建てることを目的とした。主として、米国公文書館所蔵の資料 (record groups 208, 226, 229, 306, 331)を横断的に精査し、戦時期の文化プロパガンダの実態を調査した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
合衆国は第二次大戦中、音楽を含む芸術領域の媒体を用いた文化プロパガンダを展開した。それ自体は驚きに値しないが、興味深いのは、そうしたプロパガンダには2つの異なる目的ーー1)自国民の戦時下のモラルを高め、「敵」に対する意識を先鋭化させること、そして2)「アメリカ」のイメージを諸外国にむけて改善することーーが存在し、後者はその後、冷戦期に合衆国が「芸術後進国アメリカ」や「帝国主義アメリカ」の汚名を返上し、とりわけ西ヨーロッパおよびアジアの親共産主義知識層におけるアメリカのイメージを改善するための文化プログラムのための戦略の策定に受けつがれた。文化・芸術と政治との強い連関を象徴する史的事例である。
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