研究課題/領域番号 |
17K02510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
大田垣 裕子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20290330)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 環境美学 / 階層差 / イギリス・ロマン主義 / 明治・大正文学 / 歩行文学 / 比較文学 / 環境批評 / 階級差 / イギリス・ロマン派 / 明治・大正作家 / ナチュラルヒストリー / 英米文学 |
研究成果の概要 |
ヨーロッパでは18世紀末から各地に広がったロマン主義運動にともない徒歩旅行が革新的行動として芸術家や中流階層の若者たちの間で伝播していったが、それは近代化を急ぐ明治日本でも知識人たちにいち早く取り入れられた。本研究では特にロマン主義運動が顕著であったイギリスとその運動を受け継いだ日本における歩行文学を、これまで看過されてきた農民や職人たちの環境美意識にも焦点をあて、その言説を調査・比較し、そこにみられるロマン派的環境美学の継承とその独自性を地域差・社会階層差から検分することで、環境美学のダイナミズムを追究した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、日本でもウォーキングは一般的な余暇活動となった。しかし、近代ヨーロッパや日本の歩行文化の歴史的・社会的発展過程を包括的に扱った文献は未だ刊行されていないことから、ロマン主義運動が特に活発であったイギリス、またその運動を受け入れたわが国における歩行文学の影響関係を考察し、その歴史的・文化的・社会的意義を明らかにした。さらに従来着目されることがなかった社会階層を検討対象に含めることで歩行文学にみられる環境美学の潜在的な意義を汲み取り、その社会的ダイナミズムの考究に繋げたことは、我が国の歩行文化を豊かにすることに寄与するばかりでなく、喫緊の環境問題を問い直す契機となった。
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