研究課題/領域番号 |
17K02701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
小山 哲春 京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (60367977)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 欺瞞 / コミュニケーション / 推論 / 社会認知 / 認知的メカニズム / メッセージ効果 / データ収集 / 理論(モデル構築) / データベース構築 / 理論(モデル)構築 / 理論(モデル)検証 / 理論化 / 言語学 / 語用論 / コミュニケーション学 |
研究成果の概要 |
「言い逃れ・遁辞」(evasion)に焦点をあて、その推論プロセスに関して社会認知語用論の枠組みでの理論的モデル構築し、発話行為成立に参与する個人要因(認知複雑性等)の影響についての実証的検証を行った。成果、(1)Evasionは会話フレームの意図非明示的なシフトにより、シフト後の会話フレームの中で誤推論を誘発されて成立する、(2)言い逃れが与える「言い逃れ感」「欺瞞感」は、当該メッセージの「誠実性」と強く相関し、その感覚の鋭敏さは認知複雑性や視点取り込み能力と相関する、ただし(3)日本語話者については、認知的複雑性と高度な「言い逃れ」戦略使用が相関するわけではないこと、等を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
言い逃れ・遁辞 (Evasion)は、聞き手に発話意味を誤解させることで成立する現象であり 、欺瞞意図を同定することが非常に難しく、法的・道義的責任の所在が曖昧となる点で特徴的である。こうした欺瞞は詐欺や誇大広告に代表される違法なメッセージから、政治家や企業トップの巧みで人を煙に巻くような謝罪会見や言説、そして日常生活における罪のない嘘・ごまかしまで、様々な形で現代社会に蔓延しており、それが社会や我々一般市民に与える潜在的影響に鑑みれば、そのメカニズムを語用論的・社会心理(コミュニケーション)学的に解明してその成果を社会に還元する学術的意義および社会的貢献は非常に高い。
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