研究課題
基盤研究(C)
本研究は、日英語の比較構文について、程度という意味論的存在物を介して理解されているのかどうかという問いに取り組んでいる。英語の比較構文については、先行研究において、ある次元における程度を導入し、ある値に達するまでに程度の集合の大きさを比較する、という意味論が提案されてきた。一方、日本語については、程度がそもそも設定できるのか、あるいは程度はあるがその集合は形成されないのではないか、といった議論があった。本研究は、これらの問題について、先行研究におけるデータを精査し、新たな比較要素を考慮に入れることによって、日本語にも程度や程度の集合が形成されて比較が理解されるという説が支持されることを示した。
本研究は、比較という人間の認知機構にとって基本となる概念の言語的表れについて、その意味の理解に言語間でどのような差があるのか(あるいはないのか)という問いに取り組んできた。そこで明らかになったのは、少なくとも英語でも日本語でも、程度とその程度の集合形成という概念が必要であることが示された。これに基づき、その集合形成をどのように利用するかは語彙によって異なるという仮説を提示している。この成果が英語を含む外国語理解に役立つであろうことはもちろん、ヒトの言語の意味理解に関する普遍性と個別性についても示唆を与える。
すべて 2021 2020 2019 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
Measurements, Numerals and Scales
巻: - ページ: 289-306
New Frontiers in Artificial Intelligence. JSAI-isAI 2019. Lecture Notes in Computer Science, vol 12331.
巻: 12331 ページ: 370-382
10.1007/978-3-030-58790-1_24
巻: 12331 ページ: 341-353
10.1007/978-3-030-58790-1_22
New Frontiers in Artificial Intelligence, JSAI-isAI 2018 Workshops, JURISIN, AI-Biz, SKL, LENLS, IDAA, Yokohama, Japan, November 12-14, 2018, Revised Selected Papers
巻: xx ページ: 357-371
10.1007/978-3-030-31605-1_26
Proceedings of LENLS
巻: 16 ページ: 1-13
Proceedings of 22nd Amsterdam Colloquium
巻: 22 ページ: 377-386
Proceedings of LENLS 16
巻: 16 ページ: 1-11
Osaka University Papers in English Linguistics
巻: 19 ページ: 151-164
New Frontiers in Artificial Intelligence JSAI-isAI 2018 Workshops Revised Selected Papers
巻: -
待兼山論叢
巻: 51 ページ: 1-20