研究課題/領域番号 |
17K03102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
町田 哲 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (60380135)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 近世 / 地域社会 / 焼畑 / 林業 / 生業 / 流通 / 藩 / 森林 / 資源 / 村落 / 同族団 / 地域 / 阿波 / 産物 / 山村 |
研究成果の概要 |
本研究では、近代に「林業地帯」となっていく阿波国那賀川上流地域を対象に、近世日本の森林資源の生産とその流通構造について、社会的諸関係に注目して解明した。 第1の成果は、湯浅家文書等の未整理文書群の整理を行い、全点写真撮影を完了させ、研究の基盤形成を果たした点にある。 第2の成果は、上記の一次史料をもとに以下の点を明らかにした点にある。当該地域では、「切畑」として登録された山を、「株」(同族団)の長である「壱家」が所持し、そのもとで「小家」が焼畑(穀物生産)や休閑期利用(薪炭・茶・楮生産)をしていた。その産物が「小寄人(こよせにん)」と呼ばれる荷問屋を介して他地域にむけて流通した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近世阿波の那賀川上流域における森林資源が、どのような自然環境と社会環境の中で利用され、それが他地域にいかに移出されていたのかを、社会史的視点から把握しようという試みである。 当該地域では、「切畑」と呼ばれる山は、焼畑による雑穀生産だけでなく、その後の休閑期に生育する雑木や茶・楮等を産物として確保する場であった。ただし「切畑」は基本的に同族団の本家が専有し、その他の構成員はその下でのみ利用が可能となる限界があった。また、「切畑」からの産物は、荷主―荷問屋―問屋―消費地という関係によって他地域に移出されていた。 自然と人間との関係を探る際にも、こうした社会的諸関係から把握する視点を提起した。
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