研究課題/領域番号 |
17K03163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 杉子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80324888)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ネットワーク / 宗教 / ユグノー / 記憶 / ファミリー / 連帯運動 / ヴァルド派 / 18世紀 / プロテスタント / 救貧院 / ユグノー協会 / 歴史協会 / 歴史意識 / ブラウニング / ジロー / 歴史的学術団体 / イングランド / アイデンティティ / ハノーヴァー朝 / 西洋史 / 近世イギリス史 |
研究成果の概要 |
本研究は、18世紀後半ブリテン諸島におけるユグノーの子孫の役割を具体的に解明することに努め、次の新たな知見が得られた。18世紀中葉に活躍したユグノー亡命者の子孫は、イングランド社会の上層部に同化したものも多いが、困窮した同胞のために救貧委員会およびユグノー救護院の運営に積極的に関わり、アイデンティティとネットワーク、そしてヨーロッパ・プロテスタントとの連帯運動の記憶を保っていた。これらの特性は19世紀中葉にも受け継がれて、近代歴史学の発展の中で強く意識されるようになり、ユグノー研究の中心的学術団体ユグノー協会の設立(1885)につながったことが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ユグノー救護院に関わるユグノーの子孫が、ユグノー協会の設立にも関わっていたことは比較的よく知られている。しかし、17世紀末のユグノー亡命者の記憶とネットワークが、18世紀中葉、イギリスのエスタブリッシュメントに属するようになったユグノー子孫に受け継がれて複数のプロテスタント救援活動を支えたこと、またさらにその子孫が、19世紀の近代歴史学成立・展開の中で、ユグノー協会の設立を行なったことは、これまで明らかにされてこなかった。本研究が、18世紀中葉のユグノー第二世代の活動を具体的に解明し、その記憶の継承を裏付けたことは、ユグノー研究、宗教が核となったアイデンティ、記憶の歴史の観点からも意義がある。
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