研究課題/領域番号 |
17K04091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高木 智世 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00361296)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 会話分析 / 子ども / 相互行為 / 社会的行為 / 理解可能性 / 子どもの相互行為能力 / 行為形成 / トピックマーカー / 協同的語り / 自閉スペクトラム児 / 自閉スペクトラム症児 / 働きかけの行為 / 間主観性 / 共感性 |
研究成果の概要 |
本研究は、幼児が他者に向けて理解可能な社会的行為を産出し、それに応じる行為の連鎖を生み出すことがいかにして達成されているのかを、幼児と養育者の自然発生的相互行為場面の綿密な質的分析を通して明らかにすることを目的とした。幼児による、言語形式上は必ずしも「完全」ではない発話であるが故にその発話を通して為される行為の理解可能性が焦点となる3つの具体的現象の詳細な分析を通して、それらの発話が実際には極めて豊かな相互行為環境に埋め込まれており、それを踏まえて産出されているものであること、また、それを適切に参照(分析)する受け手(養育者)との間での相互理解の確立が協同的に実現されていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
言語発達過程における幼児の発話は、その言語形式のみに注目すると「不完全さ」が目立つが、その発話が産出された状況を細やかに捉えると、むしろ、幼児の状況の理解や他者の視点の獲得を示すものであることを明らかにした。また、自閉症スペクトラム児の一見不可解な発話も、様々な水準でその発話の産出の状況を分析することによって、理解可能であることを示した。こうした視点は、特定の参加者によるコミュニケーション能力の未発達・非定型発達を理由に相互理解の不可能を主張する立場に対して疑問を呈し、相互理解はあくまでも「協同的」に達成されるものであることを主張する。
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