研究課題/領域番号 |
17K04424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
林 智一 香川大学, 医学部, 教授 (70274743)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 高齢者 / ライフレビュー / 介護老人保健施設 / 奏功機序モデル / 面接技法論 / 奏効機序 / 技法論 / 個人心理療法 |
研究実績の概要 |
最終年度につき、これまでの研究成果をもとにした研究成果報告書を作成し、関係機関に配布した。また、研究期間全体を通じて実施した研究の成果として、以下のことが得られた。 高齢期には、自我の統合性 対 絶望という心理社会的危機が優勢となる。すなわち、自身の唯一、1回限りの人生を受け入れることができれば、自我の統合性が得られるが、受け入れることができなければ、もはや人生をやり直す時間もなく、残されるものは絶望だけになってしまう。 本研究では、自我の統合性を促進する方法として、ライフレビューに注目した。これはButler(1963)によって提唱されたもので、生育史の聴取を主とした方法である。だが、ライフレビューのなにが、どのようにして、どのような結果をもたらすのかといった奏功機序に関する研究は看過されがちであった。 そこで介護老人保健施設の協力のもと、施設を利用する高齢者に対して週1回50分、計5回の非構造的ライフレビューを実施し、その面接過程を分析することにより、ライフレビューの奏功機序の解明と、ライフレビューを促進・援助する面接技法論の構築を目的とした。 その結果、語り手と聴き手の間でのわかり合いたいという思いを基盤として、語り手が人生を振り返り、人生の物語が紡ぎ出されるプロセスが明らかとなった。また、そこには聴き手の存在が大きく影響しており、ライフレビューは語り手と聴き手のふたりの間で生成され、共有される物語であることが示された。その際に有用となる面接技法を整理し、聴き手としての基本姿勢について検討を行った。とりわけ、聴き手が自身のこころの動きや揺れや動きを敏感に察知し、その揺れを語り手のこころの動きに呼応して生じる“とも揺れ”として吟味することで、語り手と聴き手の関係のありようや語り手のこころに対する理解が深化することが示唆された。
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