研究課題
基盤研究(C)
本研究では,舌痛症患者の満足度を改善させづらくしている不確実さ不耐性を用いて,症状満足度が改善しにくい患者を明らかにすることが可能であるかを後ろ向きおよび前向きの研究デザインで検討するとともに,不確実さ不耐性の変化が症状の変化と関連があるか検討した。舌痛症患者および一般歯科患者,舌痛症以外の歯科心身症患者を対象に調査研究を行った結果,不確実さ不耐性が高いと口腔内状態の満足度と症状の程度が関連すること,および,不確実さ不耐性を治療を通して改善させることによって痛みを改善させることが可能であることが示唆された。
従来の歯科心身症患者に対する研究は,症状そのものの改善を目的とした研究がほとんどであり,そこには症状を減少させなければ患者のQOL は向上できないという前提がある。一方で,本研究では,症状改善によって得られる治療満足度にどのような要因が影響を及ぼすか検討するものであり,そこには,症状が存在しても患者のQOL の向上は可能である,という前提がある。本研究でも,不確実さ不耐性の状態次第で,症状と満足との関連が変わるという結果が得られたことから,症状の改善とともに,こうした心理的要因への注目することが患者のQOL向上に繋がることが明らかになったといえる。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件)
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