研究課題/領域番号 |
17K04595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 聖徳大学短期大学部 |
研究代表者 |
中村 裕 聖徳大学短期大学部, 保育科, 准教授 (90572165)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 教育制度 / ネパール / 国民統合 / 教育史 / ネパール教育史 / 教育学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、王政復古後初期(1950~1970年代)のネパールにおける国民教育制度の構築および整備過程を総合的に明らかにすることである。 この目的を達成するために、2022年度においてもトリブヴァン大学(Tribhuvan University) 附属図書館などを通じて本研究の基盤資料の収集を継続した。 上記の資料収集と並行して、本研究上の主要作業として1971年の「『国民教育制度』計画」(NESP)の背景解明を試みた。具体的には、1960 年代のネパールにおける国民教育制度整備構想について、「国家教育審議会」(ARNEC)における初等中等教育令などを地方教育行政制度の整備に留意しつつ読み解き再検討した。また、王政復古から1971年までの主要教育計画における国民概念の変遷に焦点を当てて教育制度を通じた国民統合の試みについて追究した。その成果の概要は以下の通りである。 前者について、初等中等教育令は、地方教育において学校委員会および校長らへ一定の自律性を確保している。しかし、同法規等に定められる教育行政制度は、総体としては中央集権化されたピラミッド型組織である。こうした1960年代の教育法規や教育計画に従って整備された教育行政制度は、1971年以後の教育の高度な中央集権化の礎になったと考えられる。 後者について、王政復古後の諸教育計画は、いずれも国民教育制度の構築を目指していたが、それぞれが想定し形成を図る国民の概念は相違する。NESPの特徴は、複数の国民概念を昭示し、その形成を国民教育制度の主目的としたこと、また、一義的なそれが国家体制への遵従にあったことに特徴がある。 以上の成果のうち前者は、聖徳大学短期大学部『研究紀要』54号に研究論文として掲載されている。後者も研究論文として学会誌に投稿し、現在査読を受けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既収集資料の講読作業は順調に進んでおり、上記の通り学術論文を二本執筆し一本は発表の機会を得た。ただし、新型コロナウイルス感染症の蔓延にともない、予定していた現地での調査や資料収集は実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、これまで通りの活動を継続する。すなわち、①研究史資料の収集、整理、講読、②その集成と成果としての発表である。特に②については、引き続き、これまで手薄であった1960-1970年代における教育計画の総合的追究と、教育計画における国民概念の変遷に焦点を当てて活動する。 2020~2022年度において予定通り進捗しなかった現地調査については、諸状況に鑑みつつ実施する予定である。
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