研究課題/領域番号 |
17K04953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
特別支援教育
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
原 惠子 上智大学, 言語科学研究科, 准教授 (00583741)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 発達性ディスレクシア / 英語学習 / 早期発見 / 音韻意識 / 特別支援教育 / 学習障害 / ディスレクシア / 指導法開発 / リスク発見 / 支援介入 / 文字・音対応 / 音韻構造 / 音韻知識 / モーラ / 音素 / 読み書き障害 / 英語学習困難 / 音素意識 |
研究実績の概要 |
発達性ディスレクシアは、音韻意識の未熟さから、文字・単語のデコーディングの正確さ・流暢性に問題が生じるものである。母語である日本語の読みに困難が生じると、第二言語学習の英語の読み書きでは、より一層大きな困難が生じることが知られている。その要因として、両言語における書記素に対応する音韻単位の異なり(日本語はモーラ、英語は音素)、および、文字・音対応の固定性の度合いの異なりが考えられている。発達性ディスレクシアは困難さが軽度から重度までスペクトラムをなしている。従来、軽度の場合は、小学校の間は問題が顕在化せず、中学校で始まる英語学習で大きな困難に直面して、初めて気づかれることが少なくなかった。しかし、2020年から開始された小学校での英語教育必修化により、軽度ディスレクシアの顕在化時期が早まり、学習に対する不全感を持つ児童生徒の増加が懸念されている。本研究の目的は、英語での読み書きの苦手さを早くに発見し、支援の手立てを考えることである。 日本語のモーラ意識が英語学習にどのように影響するかを調べるために、ディスレクシアと診断された児童生徒26名を対象に3種の課題を実施した。課題は①アルファベット26文字の書字、②英語の単音節語の区切り方(CVC構造の単語をCV+Cと捉えるか、C+VCと捉えるか)、③英語の単音節語(有意味語、無意味語)の音からの語頭文字の想起である。その結果、対象児の大半は、アルファベット26文字中20文字以上書くことができ(23名)、英語の単音節語をCV/Cと分節化していること(24名)、単語の音を聞いて語頭文字想起ができること(80%正答が20名)が明らかになった。このことを踏まえて、ディスレクシアと診断された中学生に対して、CVC構造の単語を語頭のCVの種類によって群分けし、デコーディングの指導を行ったところ、デコーディングが向上し、有効性が示唆された。
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