研究課題/領域番号 |
17K05619
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
古府 麻衣子 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究副主幹 (70549568)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | スピングラス / 磁性イオン液体 / 中性子散乱 / 局所磁気励起 / 物性実験 / イオン液体 / 磁性 |
研究成果の概要 |
陰イオンに磁性原子を含む「磁性イオン液体」は、室温で液体状態をとり、冷却速度を調整することにより、結晶とガラスの2種類の状態をつくることができる。結晶状態では、反強磁性秩序、ガラス状態ではスピングラスが発現する。中性子非弾性散乱により、反強磁性秩序状態ではスピン波、スピングラス状態では局所的な低エネルギー磁気励起を観測した。この局所的な磁気励起は、スピングラス転移温度以下でボーズ因子でスケールされ、構造ガラスで見られる低エネルギー振動励起(ボゾンピーク)と共通点が多い。この磁気ボゾンピークとも言うべき磁気励起は、スピン配置やサイズの異なるスピンクラスターの素励起と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピングラスは様々な物質群において発現し、その特異な緩和ダイナミクスが詳細に調べられてきた。一方、スピングラス固有の磁気励起は存在するかという基本的問いに対し、明確な解答は得られていない。結晶上で発現するスピングラスでは、隣接する秩序相由来のスピン波などが現れてしまうことが一因である。本研究では、構造ガラス上で発現するスピングラスに着目し、局所磁気励起が存在することを明らかにした。この局所磁気励起は、結晶状態のスピン波とは全く異なり、スピングラス状態に固有のものである。局所磁気励起を示唆する理論計算の報告もあり、今後スピングラス状態における素励起の理解が進むと期待される。
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