研究課題
基盤研究(C)
地震性剪断変形にともなう焼結現象が断層の力学的挙動に及ぼす影響を評価するために、(1)流体飽和環境下での摩擦透水試験(2)瞬間高温加熱実験の2つの実験をベースに研究を実施した。その結果、流体飽和環境下で摩擦発熱が抑制されることにより焼結現象が発生しづらくなること、乾燥条件では1200℃以上で焼結が発生し、粉体同士が固着することがわかった。また、断層の透水係数は、すべり速度の増加とともに増加することがわかった。さらに、すべり後には初期の値に戻るため、急激な間隙水圧の減少が期待できないため、流体圧の増加を考慮した地震サイクルモデルに大きな影響を与えることがわかった。
地下深部に破壊震源がある地震は、地震時に断層内で発生する物理化学的な現象を直接観察することができない。そのため、本研究は地震現象を模擬した岩石実験を通して、深部の断層の内部物理的な素過程から地震発生プロセスの理解に努めた。本研究では特に、鋳造やセラミック加工など産業と関わりの深い「焼結」に焦点を当てたことにより、地震現象を生活に密接な現象の一部だと見立てて考える学問の幅を広げることができた。得られた知見は、将来、地震発生数値模擬実験で利用される物理モデルの一部に利用され、より現実的な地震の発生規模や発生頻度を推定につながることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
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