研究課題
基盤研究(C)
大気中のCO2濃度増加に伴う気候変化を全球気候モデル(GCM)を用いた数値シミュレーションで予測する際、シミュレートされた雲の対流圏調節が複数のGCM間でばらつく問題が知られている。雲の対流圏調節とは、CO2増加がもたらす大気中の放射加熱により、地表気温が上昇する前に対流圏の雲が変化する現象を指す。雲の対流圏調節がGCM間でばらつく原因について、近年、提唱された仮説によると、CO2の増加による放射加熱を各GCMで診断した値がばらつくことが一因とされている。この仮説を検証するため、5つのGCMを用いた数値実験の出力を解析した。得られた結果は仮説と整合的であり、仮説に対する信頼性は高まった。
気候変化への対策(緩和策や適応策)を立案するには、大気中のCO2濃度が変化した場合に気候がどう変わるのか、気候モデルを用いた数値シミュレーションで予測する必要がある。しかし、このような予測は、複数のモデル間で結果が大きくばらつくという問題が知られている。本研究は、予測にばらつきを生じさせる要因の一つとして、気候モデルで診断される放射加熱のばらつきが重要であることを明らかにした。この成果は、予測のばらつきを低減させるための手がかりを与える点に、社会的意義がある。また、大気中のCO2濃度増加に対して雲がどのように応答するか、という問題に対して回答の手がかりを与える点に、学術的意義がある。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
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https://www.nies.go.jp/researchers/100120.html