研究課題/領域番号 |
17K05742
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
矢後 友暁 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (30451735)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 励起子分裂 / 遅延蛍光 / 磁場効果 / 有機結晶 / 三重項対 / シングレットフィッション / トリプレットフュージョン / 蛍光 / 交換相互作用 / 光物性 / 化学物理 / 分子性固体 / 太陽電池 / 磁性 |
研究成果の概要 |
ジフェニルヘキサトリエン(DPH)の結晶を用いて蛍光の磁場依存性を測定した。2 T から5 Tの高磁場領域に、複数のディップ(蛍光強度の減少)を観測した。この磁場効果はこれまで観測されておらず、我々の研究により初めて観測された。実験および理論的解析より、相関三重項対の構造を決定した。決定された構造は非対称であり、効率の良い励起子分裂には、非対称な分子の配置が重要であることが明らかになった。さらに、トリプレットフュージョンが起こるアントラセン類においても、遅延蛍光に対する磁場効果を観測した。得られた結果を、DPHで得られる結果と比較し、シングレットフィッション等が起こりやすい分子配置を検討した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シングレットフィッション(励起子分裂)とは、一つの光励起状態(一重項)から二つの光励起状態(三重項)が生成する現象のことである。この励起子分裂を利用すると、太陽電池の効率を向上させることが可能である。このような励起子分裂を最適化するためには、その機構を明らかにすることが重要である。しかし、励起子分裂を効率よく起こす材料はいまだ少なくその機構は明らかにされていない。本研究では、磁場下での蛍光測定から有機結晶中での励起状態の構造を特定することに成功した。得られた結果より、励起子分裂は、分子の配向が非対称になっている場合に効率よく進行することが示唆された。
|