研究課題/領域番号 |
17K05886
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
中村 光伸 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (50285342)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 鋳型重合 / DNA / 分子集積体 / 光増感 |
研究成果の概要 |
光重合性を有するジフェニルブタジインにDNA塩基受容体である環状ポリアミン亜鉛錯体を修飾したモノマーを合成した。チミンのみからなるオリゴDNAとの会合を評価したところ、チミンと受容体が1:1の化学量論で結合した集積体を形成することが示唆された。複数のブタジイン誘導体が2本のDNA鎖に挟まれたサンドイッチ型の集積体であると考えられる。このブタジイン集積体に光照射を行うと、光反応によるブタジインの吸収帯の減衰と長波長側に新たな吸収帯の出現が確認され、さらにクロマトグラフィーより生成物のピークと質量分析によりこの生成物が重合体であると同定されたことから、鋳型光重合が起こることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工DNAを分子集積体の単なる鋳型材料だけでなく、分子量と立体規則性が制御された高分子の合成反応場へと展開できる。つまり、人工DNAの分子認識能を利用して、希薄溶液中の反応性分子を局所的に集積して反応を加速させる特殊反応場(触媒)としての機能を開拓できる点に学術的意義がある。さらに人工DNAの高分子合成の鋳型材料としての新しい機能が発見でき、ナノテクノロジーの魅力ある素材としての知識の蓄積に貢献できる。将来、すべてのDNA塩基に対して受容体を使った鋳型重合が実現できれば、塩基配列をプログラムした人工DNAを鋳型にすることにより、配列制御型の高分子合成への展開も期待できる。
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