研究課題/領域番号 |
17K06146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田口 智清 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90448168)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | すべりの境界条件 / 希薄気体 / 不連続 / ボルツマン方程式 / 境界層 / 接合漸近展開 / 特異性 / 滑りの境界条件 / 気体論境界層 / マイクロスケール気体流 / 流体 / マイクロ流体 |
研究成果の概要 |
気体分子の平均自由行程が系の代表長さより十分小さい弱希薄気体を対象に,気体が接する壁面の状態(以下,境界データ)が境界にそって滑らかに変化することを仮定した従来の「一般化すべり流理論」を,境界データに不連続的な跳びがある場合に拡張することを試みた.具体的には,壁面温度が不連続的な跳びをもつ2次元流路内の希薄気体の振舞いを線形化ボルツマン方程式にもとづいて考察し,境界条件の不連続によって誘起される弱希薄気体の大域的振舞いが,ストークス方程式と不連続点上の特異な流速条件によって記述されることを見出した.また,その特異性の強さが空間2次元の気体論的境界層の問題より定められることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気体の振舞いを巨視的に記述する流体力学的方程式系を分子の集団運動を記述するボルツマン方程式の系から導出することは実用上重要であり,気体の接する壁における条件(温度分布や速度分布)が滑らかに変化する場合にはすでに確立されたものがある(一般化すべり流理論).一方,一般化すべり流理論を壁面温度が不連続的な跳びをもつ場合に対して拡張できるかどうかは,理論の原型が発表されてからほぼ半世紀がたった研究開始時点でも知られていなかった.本研究はこれを肯定的に解決し,従来考えられていたよりも広い範囲のマイクロスケール流体問題が(ボルツマン方程式に立ち返ることなく)流体力学のレベルで解析できることを示した.
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