研究課題/領域番号 |
17K06755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
野口 憲治 日本工業大学, 建築学部, 助手 (30337513)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 近世 / 町家 / 長崎 / 町家模型 / 室内意匠 / 町並み / シーボルト / オランダ / 近世町家 |
研究成果の概要 |
本研究は、長崎の近世町家の特質を明らかにし、新たな日本の近世民家像の再構築を目的とする。特に、シーボルト・コレクションの町家模型の室内意匠に着目し、商種・生業にあわせて分析する。 模型は、細部・平面とも長崎の町家の特徴とよく一致することを指摘した。シーボルトがみた近世長崎には、町を支配する町乙名の役宅、呉服屋や酒屋、醤油屋などの商家、フロヤのなど、多様なレベルの町家が混在していた。また、模型からみた長崎の町家等の座敷意匠には、武士と町人の身分格差が示されていることを指摘した。模型に示された格差は、シーボルトが幕府の規制と当時の長崎の町家の状況の関係を、正確に理解した証であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特色は、19世紀初めに製作された長崎の町家模型を研究対象としていることである。現存遺構の町家は、歴史的な増改築の結果により当時の様相は失われることが多い。これに対して、模型は、19世紀初めの長崎の町家の室内意匠を正確に示している。従来、町家の室内意匠は、主に現存遺構を中心に検討されてきた。現存遺構は、歴史的増改築の結果であり当時の様相そのものではない。模型の室内意匠と商種・生業をあわせて分析することで、現存遺構では明らかにできなかった座敷意匠を理解することができる。 本研究は、長崎の町家の建築的特徴を明らかにし、その基礎を築くものであり、正確な歴史的町並の保存・再生に活用される。
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