研究課題
基盤研究(C)
我々は上皮癌由来細胞株ではクロマチン構造変換因子SWI/SNF複合体の触媒サブユニット Brmの発現の有無と、MKL1やMKL2(MKL1/2)がcofactorとして機能するSRFの標的遺伝子群の有無が逆相関すること、さらにBrmがMKL1/2の機能を負に制御することを見出した。この分子機構を解析したところ、1) Brmの発現を欠失する細胞では、MKL1/2は細胞核内に局在するが、Brm型SWI/SNFを完備する細胞ではMKL1/2は細胞質に留まる2) Importin の一種がBrm依存的な発現をすることを見出したが、これはMKL1/2の細胞内の局在には影響を与えない、ことがわかった。
ヒトの上皮がん細胞では、SWI/SNF複合体の触媒サブユニット Brmの発現の有無によって細胞内の多くの遺伝子群の制御ネットワークが決定的に違う2群に分けられることを見出してきた。その分子機構を理解することは、両群ごとに適切な治療法を開発する上で重要であると考えられることから、本研究では、MKL1/2の機能がBrmにより負に制御することに注目した。その結果MKL1/2の細胞内局在がBrmの発現により大きく影響を受けていることが判明した。現在その機構は解明には至っていない。
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医学のあゆみ
巻: ―
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http://www.pf.chiba-u.ac.jp/research/project/iba.html