研究課題/領域番号 |
17K07155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水野 卓 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30771050)
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研究分担者 |
伊地知 秀明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70463841)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 膵癌 / VCAM-1 / 癌微小環境 / 癌関連血栓塞栓症 / がん微小環境 |
研究成果の概要 |
臨床の膵癌像をよく再現する膵発癌マウスに対し、接着因子VCAM-1の中和抗体を投与すると、生存期間が中央値61日から253日へと劇的な生存延長を示した。VCAM-1阻害は膵癌微小環境への炎症細胞浸潤を抑制し、膵癌の発癌進展を阻害することが示唆された。さらに、本モデルマウスでは約70%に癌関連血栓塞栓症が生じていた。膵発癌マウスおよびヒト膵癌患者の血栓塞栓症発症例では血中VCAM-1の上昇がみられ、血栓にはVCAM-1が染まり、膵癌細胞がVCAM-1を産生し血中VCAM-1を上昇させ血栓形成を促進していることが示唆された。VCAM-1阻害は、膵癌の生命予後に寄与できる新たな制御法と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は年々増加傾向を示し、かつ最難治癌であり、その予後改善に寄与する治療法の確立は喫緊の課題である。本研究は、臨床の膵癌に近いモデルを用いて、担癌状態ながら、正に膵癌の生命予後を大きく改善させる結果を示し、進行期の膵癌の予後に寄与できる方法として社会的にも大きなインパクトを持つものと言える。学術的には、治療効果の機序として、予後不良因子である癌関連血栓塞栓症の制御および膵癌微小環境における炎症細胞浸潤の制御によることを明らかにした。本モデルが膵癌関連血栓塞栓症となり得ることも初めて示した。血中VCAM-1の予後予測および血栓診断のバイオマーカーとしての意義も明らかにした。
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