研究課題
基盤研究(C)
腎糸球体の上皮細胞で発見されたI型膜貫通タンパク質ポドカリキシン(PODXL)は、膵がん、精巣腫瘍、大腸がん、乳がん、脳腫瘍など、種々のがんに高発現しており、悪性度や予後不良のマーカーである。一方、全身の血管内皮細胞などの正常組織にも比較的高発現しているため、抗体医薬の標的としては不適切とされていた。研究代表者らが開発したCasMab法を用い、PODXLに対し腫瘍特異的な反応性を示す抗体を取得した。本研究において、これらの抗体を利用して、腫瘍型PODXLの実態を解明し、腫瘍型PODXLのがん細胞形質への関与を解析すること、また、腫瘍型PODXL抗体の抗体医薬開発の可能性を検証した。
近年、モノクローナル抗体をキメラ抗原受容体T細胞(CART)療法や二重特異的抗体によるT細胞やNK細胞誘導療法(BiTEなど)と組み合わせる治療法の開発が盛んである。これら新しい免疫療法における副作用(毒性)は、これまでの治療法に比べ、影響が甚大であることが懸念されており、いかに特異性の高い抗体を樹立するかが重要な課題となっている。本研究課題においても検討したCasMab法は、非常に高いがん特異性抗体を作製できることが特徴であり、社会的に意義ある成果であると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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