研究課題/領域番号 |
17K07581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
中野 亮 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 主任研究員 (90546772)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 超音波コミュニケーション / 捕食者 / 配偶行動 / 忌避行動 / 超音波 / 音響交信 / 共進化 / チョウ目 / コウモリ / 回避行動 / 交尾行動 / コミュニケーション / 飛翔特性 / 捕食者回避 / 行動学 / 昆虫 / 進化 / 生態学 |
研究成果の概要 |
ヤガ類の超音波に対する飛翔中の忌避行動は、「旋回」と忌避強度の高い「飛翔停止」に大別できた。種によっては飛翔停止を示さなかったが、このような種は速く飛ぶ、または地際を飛翔することが分かった。さらに、超音波コミュニケーションの有無について解析した結果、超音波に対して飛翔停止をしない種では超音波コミュニケーションをしていないことを明らかにした。超音波コミュニケーションは、捕食者である食虫コウモリが発する超音波を検知するための聴覚を、二次的に使用することで進化したと推測されているが、ヤガ類では捕食者に対する忌避行動から超音波コミュニケーションが進化したことを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界的に重要な農業害虫群であるSpodoptera属において、超音波コミュニケーションの有無に差異があることを明らかにした。2019年に日本に初侵入したツマジロクサヨトウでは超音波を発しないが、ハスモンヨトウやシロイチモジヨトウでは、オスが求愛時に超音波を発してメスとコミュニケーションしていた。このように近縁種間でコミュニケーション様式が異なる事例は少なく、性的なシグナルの獲得と進化的背景を探求するのに好適な材料であることを示す。また、超音波に対する飛翔中のガの忌避パターンにも種間差があるものの、忌避を高率で誘起する超音波の時間構造は共通しており、超音波を用いた防除技術の開発に有用である。
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