研究課題/領域番号 |
17K07830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福澤 加里部 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (10456824)
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研究分担者 |
谷口 武士 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (10524275)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 土壌窒素 / ササ / ミズナラ / 細根 / 純一次生産 / 外生菌根菌 / 土壌環境 / 食害 / 林床植生 / 樹木 / 微生物 / 環境 / 外生菌根 / 一次生産 / 植物 / 生態学 / 土壌学 |
研究成果の概要 |
冷温帯林における代表的な林床植生であるクマイザサ地上部を実験的に除去し、土壌窒素動態や細根動態、樹木の生産量、樹木根での外生菌根の形成および種組成へ及ぼす影響を調べた。ササ除去による土壌中の無機態窒素量の変化は小さかった。ササ細根はササ除去後にも維持されていたことから、ササによる窒素吸収が継続しているためと考えられた。またササ除去による樹木の生長、菌根化率、外生菌種組成の変化も小さかった。本研究から、短期的にはササ除去後が土壌の窒素動態、菌根菌動態および樹木の生長へ及ぼす影響は小さいことが明らかになった。これはクマイザサの地上部の撹乱に対する抵抗性が強いことによると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹木ではなく林床植生の地上部撹乱に着目して地下部応答と窒素動態の関係、樹木や外生菌根菌動態の応答を示し、いずれも短期的に変化しにくいことが明らかになった。これは、さまざまな撹乱や環境変化に曝されうる森林が細根動態や菌根菌動態を通じて森林の生産性や生態系機能を維持するメカニズムの解明において有用な知見である。また、集水域スケールで林床植生除去の影響を評価した研究はこれまでにない。社会的には、植生撹乱に対する生態系のレジリエンスがクマイザサが生育する森林では比較的大きいことが明らかになり、森林のもつ生態系サービスの維持・予測、北方林における持続的な林業の方策にも示唆を与えるものである。
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