研究課題/領域番号 |
17K08325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理系薬学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
関口 富美子 近畿大学, 薬学部, 准教授 (90271410)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | HMGB1 / 神経突起伸長 / thrombomodulin / thrombin / RAGE / 神経損傷 / angiopoiethin-1 / トロンボモジュリン / トロンビン / Angiopoietin-1 / 神経再生 |
研究成果の概要 |
HMGB1はRAGEを介してマウス後根神経節(DRG)の神経突起伸長を促進すること、坐骨神経挫滅数日後のDRG神経の突起伸長増加には、マクロファージから遊離されるHMGB1が関与することが示唆された。また、血管内皮に発現するthrombomodulin(TM)の遺伝子組換え可溶性TM(TMα)は、HMGB1吸着とthrombin(TB)によるHMGB1分解を促進することでHMGB1誘起神経突起伸長を抑制すること、この効果はTMとTBの結合を阻害するangiopoietin-1によって消失することが明らかとなった。これらは神経軸索再生の新たな治療方法の確立に役立つ知見となると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞外へ放出されたHMGB1はRAGEやTLR4を含む数種類の受容体を介して炎症および疼痛の発症に寄与するため、HMGB1の中和抗体や受容体阻害薬、HMGB1の吸着と分解を促進するTMαなどが炎症や難治性疼痛の治療を目的とした新薬の候補物質として開発が進められている。しかし、HMGB1/RAGE経路が神経軸索再生において重要な役割を担っていることを示す本研究の結果を考慮すると、神経損傷を伴う炎症や疼痛の治療において、HMGB1そのものの減少は神経再生にマイナスになることが示唆される。本研究で得られた知見はHMGB1を標的とした治療戦略を立てる上で考慮すべき重要な内容である。
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