研究課題
基盤研究(C)
結核肉芽腫内の休眠期結核菌は、無症候状態にある潜在性結核の要因である。結核菌が休眠する機構は不明な点が多く、結核制圧には増殖と休眠の調節機構が重要となる。本研究では、増殖期と休眠期結核菌が感染したマクロファージにhypoxia-inducible factor-1alpha(HIF-1alpha)発現が増大し、HIF-1alphaによるマクロファージ内結核菌の増殖抑制機構を明らかにした。増殖期と休眠期結核菌感染マクロファージの細胞外小胞は、炎症性サイトカイン産生を促した。一方、HIF-1alpha欠損マクロファージの細胞外小胞にはなかったため、HIF-1alphaの新たな役割が示唆された。
結核は、単一病原体による最大級の感染症である。ワクチンや治療薬が開発されているにもかかわらず、年間1000万人が発症するのには、休眠期結核菌が持続潜伏感染する無症候状態の患者(潜在性結核)の存在が大きい。そのため、結核菌の増殖と休眠の調節機構の解明は重要である。申請者は、肺結核肉芽腫のマクロファージに発現するHIF-1alphaが増殖期と休眠期の結核菌感染により、さらにこのHIF-1alphaが結核菌の増殖調節や細胞外小胞による炎症性サイトカイン産生に寄与することを明らかにした。HIF-1alphaがマクロファージ内での結核菌に大きな影響を与える新たな因子の1つであることを示す。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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