研究課題/領域番号 |
17K08889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
小林 隆志 大分大学, 医学部, 教授 (30380520)
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研究分担者 |
花田 礼子 大分大学, 医学部, 教授 (00343707)
神山 長慶 大分大学, 医学部, 助教 (50756830)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | TRAF6 / CCL20 / SLPI / 腸炎 / パイエル板 / 腸管バリア機能 / ILC3 / Th17細胞 |
研究成果の概要 |
これまでの研究で、T細胞および腸上皮細胞においてアダプター分子TRAF6を介するシグナルが腸管組織の恒常性維持に機能していることが示唆された。そこで、腸上皮細胞でTRAF6シグナルにより発現制御を受けるケモカインCCL20及びプロテアーゼ阻害活性タンパク質SLPIに着目し、それらの欠損マウスの腸管組織を解析した。SLPI欠損マウスにDSSで腸炎を誘導すると、その病態は野生型マウスより悪化した。CCL20欠損マウスは、小腸パイエル板が矮小化しており、Lin(-),ROR-γt(+),CCR6(+)のLTi様ILC3の割合が半分に減少していたことから、この細胞の遊走制御が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TRAF6シグナルによって腸上皮細胞から誘導されるSLPIが、腸管組織における恒常性の維持に重要であることが遺伝子改変マウスの解析から明らかになった。すなわち、SLPIはプロテアーゼ阻害活性により過剰な炎症反応で生じる組織損傷に対して腸管組織を保護していることが示唆された。また、ケモカインCCL20の遺伝子欠損マウスはパイエル板の形成不全とその中へのILC3の遊走障害、さらには腸内細菌叢の偏重が認められたことから、CCL20も腸管組織における恒常性の維持に重要であることが示された。腸管組織の恒常性維持に働く分子の機能解明により、今後のヒト腸疾患の予防法・治療法の開発に貢献するものと考えられる。
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