研究課題
基盤研究(C)
膵がんの早期診断法は確立されていない。本研究では、膵がんの悪性化に重要なMT1-MMPとその基質のプロセシングに着目し、MR1-MMP基質のプロセシング断片を指標とした新たな膵がん診断法の開発を行った。今回の検討において、2種類のMT1-MMP基質であるシグナル膜蛋白質断片に対するELISA定量測定系を作製した。活性型HB-EGF断片に対する検出感度は十分ではなく、さらなる改良を必要とした。また、MT1-MMP基質として見出したEphA2断片は健常人と比較して早期ステージを含む膵がん血清で有意に高値を示した。以上、EphA2断片が早期膵がん診断の新たな指標になりうる可能性を示唆している。
膵癌は早期診断、早期治療以外に完治を見込めない難治癌である。しかし、現状では早期膵癌を見出すバイオマーカーはない。今回着目したMT1-MMP、EphA2は共に早期の膵癌で高発現していることが報告されていることから、それら相互作用としての蛋白分解で生じる基質断片は早期の膵癌の存在を示す重要なバイオマーカーになる可能性をもつ。今後、多検体血清を用いた臨床研究により、これら分解断片の早期膵癌のバオマーカーとしての有用性を明らかとすることが必要となる。
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