研究課題/領域番号 |
17K09073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医学物理学・放射線技術学
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
高井 伸彦 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (70373389)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 放射線脳壊死 / 重粒子線治療 / 画像診断 / 放射線治療 / NMDA受容体 / 脳内毛細血管密度 / 記憶 / 放射線生物学的効果比 / 脳壊死 / 粒子線治療 / 脳腫瘍 / ケモブレイン / RBE |
研究成果の概要 |
高次脳機能障害は脳腫瘍治療において最も考慮しなければならない問題点の1つである。学習障害や認知機能障害などの副作用は、がん治療中に放射線に曝された後の中枢神経系(CNS)組織で報告されている。 この研究では、マウスを使用した炭素イオンの局所脳照射後の、海馬におけるアストロサイトの活性化と認知機能障害について調査した結果、照射されたマウスは顕著な学習障害を示し、作業記憶の実質的な障害を示した。また 組織病理学的観察により、照射後16週間でCA2-CA3の海馬で顕著な神経変性(海馬脆弱部位)を示したが、その領域においてアストロサイトの活性化が生じていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陽子線および炭素線を含む脳腫瘍の放射線治療において、これまで治療に用いたビームの拡大ブラックピーク(SOBP)内における高RBE荷重線量分布領域が脳壊死と関連性があることが報告されてきたが、脳組織の放射線感受性は一様ではなく、放射線に脆弱な部位が生物学的に存在することが明らかとなった。またその脆弱な部位は、アストロサイトの活性化が伴っていることから、放射線脳壊死を軽減するためには、物理線量分布だけでなく脆弱部位を保護する薬剤開発も必要であることを示唆している。そのため今後、放射線脳壊死を軽減できる薬剤を探索する必要性があると考えられる。
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