グレリンシグナリングを介した六君子湯の心房細動アップストリーム治療の有用性

• 研究課題/領域番号: 17K09308
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 内科学一般(含心身医学)
• 研究機関: 大分大学
• 研究代表者: 中川 幹子 大分大学, 医学部, 教授 (50244182)
• 研究分担者: 安部 一太郎 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (00747595)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2021-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2020年度)
• 配分額: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円); 2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
• キーワード: 六君子湯 / グレリン / 心房細動 / 心房筋線維化 / 漢方薬 / 循環器・高血圧 / 生理学

研究成果の概要

心房細動は発生頻度の高い不整脈であり、その予防法の開発は重要な課題である。消化管に働くペプチドホルモンのグレリンが、心臓においては心房の炎症や線維化を抑制し、心房細動の発症を抑制する可能性が示唆されている。
本研究では、グレリン分泌薬であり一般には胃薬として使用される漢方薬の六君子湯が、昇圧物質のアンギオテンシンⅡにより増強される心房筋の線維化や心房細動の発症を抑制するかどうかをマウスを使って検討した。
六君子湯はGHSR-Sirt1 pathwayを介して、アンギオテンシンⅡにより誘発される心房筋の線維化を抑制することにより、心房細動の発症を抑制した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

心房細動は発生頻度の高い不整脈であり心原性脳梗塞の原因となるため、その予防法の開発は重要な課題である。消化管に働くペプチドホルモンのグレリンが、心臓においては心房の炎症や線維化を抑制し、心房細動の発症を抑制する可能性が示唆されている。漢方薬の六君子湯はグレリン分泌薬であり、胃薬として広く使用されている。本研究では、六君子湯に心房筋の線維化を抑制し、心房細動の発症を抑制する効果があることを世界で初めて立証した。六君子湯は心房細動の予防薬として、健康長寿を実現する手段の一つとなり得る可能性が示唆される。

研究成果

• [雑誌論文] A traditional herbal medicine rikkunshito prevents angiotensin II-Induced atrial fibrosis and fibrillation (2020)
  • 著者名/発表者名: Zhan Yinge、Abe Ichitaro、Nakagawa Mikiko、Ishii Yumi、Kira Shintaro、Miyoshi Miho、Oniki Takahiro、Kondo Hidekazu、Teshima Yasushi、Yufu Kunio、Arakane Motoki、Daa Tsutomu、Takahashi Naohiko
  • 雑誌名: Journal of Cardiology 巻: 76 号: 6 ページ: 626-635
  • DOI: 10.1016/j.jjcc.2020.07.001
  • 査読あり
• [学会発表] Rikkunshito, a Traditional Japanese Medicine, Prevented Angiotensin II Induced Atrial Remodeling and Fibrillation (2019)
  • 著者名/発表者名: I Abe, Z Yinge, M Nakagawa, Y Teshima,T Tanino, T Harada, K Mitarai, K Kawano, Y Ishii, S Yoshimura, MMiyoshi, S Kira, T Oniki, Y Ikebe, R Ayabe, S Saito, H Kondo, A Fukui, H Okada, H Akioka, T Shinohara, K Yufu, T Takahashi
  • 学会等名: 第83回日本循環器学会学術集会
• [学会発表] Rikkunshito, a Traditional Japanese Medicine, Prevented Angiotensin II Induced Atrial Remodeling and Fibrillation (2018)
  • 著者名/発表者名: I Abe, Z Yinge, M Nakagawa, Y Teshima,T Tanino, T Harada, K Mitarai, K Kawano, Y Ishii, S Yoshimura, MMiyoshi, S Kira, T Oniki, Y Ikebe, R Ayabe, S Saito, H Kondo, A Fukui, H Okada, H Akioka, T Shinohara, K Yufu, T Takahashi
  • 学会等名: 第65回日本不整脈心電学会学術集会
• [学会発表] 六君子湯の心房線維化と心房細動抑制効果－アンギオテンシンⅡ負荷モデルマウスを用いて－ (2018)
  • 著者名/発表者名: 中川幹子、安部一太郎、Zhan Yinge、手嶋泰之、高橋尚彦
  • 学会等名: 日本東洋医学会 大分県部会
• [学会発表] Rikkunshito, a Traditional Japanese Medicine, Prevented Angiotensin II Induced Atrial Remodeling and Fibrillation (2018)
  • 著者名/発表者名: Ichitaro Abe, Zhan Yinge, Mikiko Nakagawa, Yasushi Teshima,T Tanino, T Harada, K Mitarai, K Kawano, Y Ishii, S Yoshimura, M Fujinami, M Miyoshi, S Kira, T Oniki, Y Ikebe,R Ayabe, S Saito, H Kondo, A Fukui, H Okada, H Akioka, T Shinohara, K Yufu, Naohiko Takahashi
  • 学会等名: 第82回日本循環器学会学術集会