研究課題
基盤研究(C)
対人ストレスのモデルである慢性社会的敗北ストレス(CSDS)誘発うつ様モデルマウスに漢方方剤「香蘇散」煎剤を経口投与し、抗うつ様活性について検討するとともに脳の海馬について安定同位体標識法によるプロテオーム解析を行った。その結果、同モデルマウスに対して香蘇散煎剤が抗うつ様作用を示すこと、その発現に飼育飼料が関わっていることが明らかとなり、CSDSにより海馬で発現量が変化したタンパク質185種のうち、香蘇散煎剤投与により回復するタンパク質として精神疾患や炎症関連タンパク質を含む24種が同定された。
本研究により、社会的敗北ストレス(CSDS)誘発うつ様モデルマウスで漢方方剤「香蘇散」の抗うつ様活性が評価できることが明らかとなったことから、対人ストレスで惹起されるうつ症状に有効な漢方薬などの薬剤の評価に本モデルが有用であることが示された。また、網羅的にタンパク質を解析できるプロテオーム解析により、うつ様症状に伴って脳(海馬)で発現量が変化し、香蘇散によるうつ様症状の改善によって発現量が正常状態に回復するタンパク質が同定されたことから、同解析法がうつ症状の発症機序や抗うつ薬の薬効機序の解明に有用であることが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 4件) 備考 (2件)
Nature Medicine
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https://www.kitasato-u.ac.jp/lisci/life/chart/LSI-lab25.html