研究課題
基盤研究(C)
我々は「選択的オートファジーによりインフラマソームを分解するメカニズム機能不全に陥ることが心不全の原因のひとつである」という仮説を検証するための検討を行った。圧負荷モデルマウスを用いた検討を行ったところ、対照群やプロテアソーム阻害群と比較してオートファジー阻害群では有意に心機能が低下しており、インフラマソームの量や活性が亢進していた。また、TRIM20とNLRP3の間に相互作用があることやTRIM20をノックダウンした培養心筋細胞では選択的オートファジーが抑制されてインフラマソームの活性が有意に上昇することを見いだし、仮説が正しいことを実験的に証明することができた。
今回の申請研究では、培養心筋細胞を用いたin vitro実験ならびに実験的心筋梗塞モデルを用いて、心不全の病態において微細なタンパク複合体を特異的に分解する選択的オートファジーが関与しているのかどうかと、この選択的オートファジーの制御系が心不全の病態ではどのような影響を受けるのかについて明らかにした。特に、インフラマソームを特異的に分解する選択的オートファジーの分子機序を明らかにし、このメカニズムの破綻がインフラマソームの機能亢進を惹起して心不全の病態を悪化させているのかどうかを明らかにし、新規の心不全治療法の開発につながるような知見を見いだせた点に意義があると考える。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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