研究課題
基盤研究(C)
特発性肺線維症77例を対象として、末梢血のテロメア長を経時的に測定した。抗線維化薬投与群では、非投与群と比較して経時的にテロメア長が伸長する傾向が認められた(ベースラインからの変化率:抗線維化薬投与群1.026+/-0.037 vs 非投与群1.016+/-0.032)。12か月後のテロメア長の変化量と末梢血MCP-1の変化量に負の相関関係が認められた(r=-0.359, P<0.05)。以上より、特発性肺線維症の末梢血テロメア長は抗線維化薬の投与によって伸長する可能性が示唆されたが、その機序は明らかでない。今後24カ月までのフォローと末梢血のテロメラーゼ活性評価を予定している。
特発性肺線維症は原因不明の肺疾患で、数年の間に呼吸不全が進行する難病である。近年抗線維化薬と称される薬剤がその進行を緩やかにする事が確認されて使用されているが、その有効性に関する詳しいメカニズムは明らかとなっていない。本研究では細胞寿命を規定する染色体のテロメア長に注目し、抗線維化薬との関連について研究を行った。特発性肺線維症では抗線維化薬の投与によって血液のテロメア長が伸長する傾向が確認され、それを介在する蛋白質を確認した。今後特発性肺線維症の新規治療戦略の発展に寄与すると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
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