研究課題/領域番号 |
17K09709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
川島 永子 北里大学, 医学部, 助教 (90342774)
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研究分担者 |
仲山 賢一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究部門付 (40357679)
内藤 正吉 北里大学, 医学部, 講師 (40365101)
高野 勇太 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (60580115)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 糖脂質 / GM3 / 足細胞 / 蛋白尿 / 糸球体 / ネフリン / 巣状糸球体硬化症(FSGS) / ポドサイト / バルプロ酸 / 慢性腎臓病 / 巣状糸球体硬化症 / ガングリオシド / タンパク尿 / 糖鎖 / 発現制御 / 生体分子 / 生体機能利用 / 病理学 |
研究成果の概要 |
申請者らは、i) 足細胞障害初期はGM3の減少を伴う、ii) バルプロ酸を介したGM3の発現増強は、蛋白尿、糸球体硬化病変の出現に予防的・治療的効果をもつ、iii) F-アクチン線維束崩壊の阻止、ネフリン・リン酸化の機能正常化に有効である、iv) ネフリンとGM3は互いに協調して挙動していること等を見出した。 これらの結果は、スリット膜を構成するネフリンが、ネフリンの膜貫通領域の周囲に存在する糖脂質によって制御され、結果として足細胞の健全化・正常なスリット膜の機能維持に寄与している可能性を示唆している。同時に、蛋白尿治療の標的として足細胞に発現する糖脂質GM3も候補となり得る可能性を高めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果は、足細胞および腎の正常な機能維持における糖脂質の重要性を初めて明らかにした。また、画期的な新薬が開発されていない重度の蛋白尿を伴うネフローゼ症候群の治療において、現在用いられている免疫抑制剤よりも格段に副作用の少ない新規医薬品開発に向け、重要な分子基礎知見を提供した点でも学術的意義が高い。また、この知見は、発症機序が共通している 巣状糸球体硬化病変の腎移植後の再発予防や、ネフリン減少が起因する多くの腎疾患 (糖尿病性腎症など) に対する新たな足細胞保護治療法開発への道を拓く。これにより、慢性腎不全患者数と新規透析患者数が減少し、社会的・経済的にも波及効果が非常に高い。
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